お知らせ

社会人一年生

今日も地下鉄で袴姿のお嬢さんを見た。お彼岸の時期は、今も大学の卒業式が目白押しだ。私の時代も、卒業式は春分の日であった。

既に入学式は終えて、オリエンテーションも終了し、仕事に入っていた時だったが、卒業式は優先的に休みを頂けたので、久しぶりに仲間に合える楽しみで、京都に向かったものである。

例年、同志社の卒業式は、栄光館で、グリークラブがカレッジソング、大学歌、讃美歌を聖歌隊の席で歌うことになっていて、我々の卒業式もグリークラブの卒業メンバーは、聖歌隊の席で式に参加したのである。

これは、入学式も同様で、私がグリークラブに入部したきっかけは、入学式で素晴らしいグリークラブの音色を聴き、それまでどうしようかと迷っていたのだが、式を終えて、即、入部の手続きをしたのだ。

卒業式の夜は、遅くまで卒業コンペが続き、翌日早朝、職場に戻るべく、四日市へ帰った。ほとんどの仲間が、4月からの入社であったので、うらやましいと思いながら、帰途に着いたのを覚えている。学生気分が抜けきってない時であった。

オカダヤ(現イオン)の入社式は3月9日、全員一年生は寮に入る事を義務付けられていた。四年間の下宿生活で、食事でうんざりしていて、家から通えるところで就職する。という事で四日市に戻ったのだが、これでは京阪地区で就職しても同じだったんだと少々がっかりした。

教育熱心な企業というのは定評通りで、オリエンテーションは一週間以上、現職の課長が講師となってみっちりたたきこまれた。

毎日17時に終わって、18時の閉店まで、近くにあった四日市店のそれぞれの売場に配属され、商品整理のお手伝いをした。売場に慣れるという配慮だったと思う。私は一階の婦人服飾売場に配属された。閉店間際で、お客様が多く、商品整理している時、お客様が近寄ってくると、思わず、後ずさりしたものである。オリエンテーション終了後、配属辞令が出て四日市店、一階の婦人服売り場に決まった。単品のトップスである。まだこの頃は、高級なセーター、ブラウスは、ガラスケースに入れ、対面で販売していた。当時四日市店は、百貨店協会に入っていたので、そのような商品が、品揃え出来たのだと思う。TVドラマでタレントが着ていたセーターが入荷すると、一早く完売したものだった。

当時、当番制度があって、男子従業員が3人ずつ、ローテンションで当直をする事になっていた。当番の日、3人で閉店後館内をチェック、電源をオフにするのだが、誤って、販売用のアイスクリームボックスの電源まで切ってしまった。

その時は気づかず、当直室で就寝していたのだが、翌朝開店準備の時、アイスクリームが溶けているとの連絡があり、再凍結して3人で、お昼の休憩時間再凍結したアイスクリームを値下げして売ったにがい経験がある。

入社一年目は、まだ学生気分がぬけきらず、さりとて早く一人前の商売人になりたいという気持ちが交錯した時期であった。

 

畑中宣彦

 

 

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