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My boss history 第13話

さらば宮崎

宮崎で仕事する事が決まった時、入社以来お世話になっていた小嶋さん(元人事担当常務)に挨拶に行った。スクラップ&ビルドで業態を変え、新しく百貨店をデビューさせると説明すると「この仕事は一生に一度あるかないかの大きな仕事だ。死ぬ気で頑張って是非成功して欲しい」と励まされた。

いざ仕事に取り掛かると、面積拡大の為に交渉を行っても、中々進捗せず挙句に私の赴任前にジャスコは百貨店開業を断念したという話が、交渉先から聞かされ、ジャスコの本気度が疑われる中での交渉だった。100店舗を超えるテナントの退店交渉、赤新聞から鬼と云われたりもした。工事期間中の仮店の借入交渉も中々一筋縄ではいかない相手で、タフな交渉になった。他にも色々あったがやっとオープンにこぎつけても、中々売り上げが上がらず3ヶ月位たって仕入先から、ジャスコがある百貨店に転売の話を進めていると聞かされて、一時スタッフのモチベーションがガクッと落ちた事もあった。

ただ業績に関しては、待ち望まれた百貨店の再開だっただけに、時間の経過を共に顧客がついてきて、予定より1年遅れたが創業4年目で黒字にする事が出来た。そして平成5年春、9年間に亘る宮崎の仕事にピリオドを打つ事になった。

顧客拡大の為、色々な会合に顔を出していたが、その会の代表者達が発起人となって、送別会を宮崎観光ホテルでやって頂いた。知事、市長、商工会議所会頭ロータリー ガバナー等もお忙しい中出席され、挨拶も頂いた。400人を超える出席者だったが、一人一人挨拶するのが大変だった。

地縁、血縁の無い宮崎で、百貨店という事業を成功させる為にありとあらゆる機会に相手の懐に飛び込んで協力を頂いた。この日集まって頂いた方々は、まさにその時お世話になった方々だっただけに感無量であった。

この日の何日か前には、百貨店の送別会がミック大ホールであった。この時は家内も連れて出席した。最後の挨拶で色々な事が想い出され、思わず胸につまって言葉が出なかった。

今でも年に1~2回宮崎へ行くようにしているが、当時の行きつけのお店に顔を出すと、必ずお帰りなさいと言って頂けるのが嬉しい限りである。

東京都江東区永代2丁目13-5
高梨加藤ビル2階

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