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My boss history 第十話

消費税が4月から8%に引き上げられて、これからという時にファッション業界も水を差され、何とか秋には回復をと、念じているところが多いようである。

消費税が我が国で導入されたのは、私が宮崎で百貨店を経営していた時である。ジャスコ(現イオン)では、この導入を阻止しようと、各都道府県の自民党県連事務所に伺い、地元代議士を動かす作戦に出た。

私も、県連事務所を訪ね、事務局長に消費税が導入されたら、日本の経済は大低迷する。何とか消費税導入を阻止するよう、代議士にお伝えして欲しいとお願いした。

ところが、事務局長はこの問題に関心が無いのか、暖簾に腕押しの状態であった。東京と地方の温度差を感じたものである。時の総理の橋本さんは、この導入で経済を停滞させぬよう、大型減税を実施する等、色々手は打たれた。

橘百貨店は開業三年目で、一番伸び盛りの頃で、その勢いに水を差されたくないという気持ちが強く、毎日が緊張の連続であった。結果、導入後も売上がさほど落ちる事なく、地元のマスコミからは、まわりが前年割れの中で、橘百貨店だけが善戦と評された。

消費税が3%から5%に引き上げられた時は、メルス(婦人服専門店チェーン)の社長をしている時である。

この時は大変だった。引き上げ同時に、客は来ない、売り上げは取れない。ファッションだから、引き上げ前の駆け込み需要もなく、1年間売り上げは低迷した。

そして今年の8%への引き上げ。

せっかくのアベノミックスによる円安、株高に導かれ。個人消費も上昇の気配があったが、完全に水を差された状態である。秋以降回復する企業も出てくると思うが、問題はその後の10%で瀕死の状態という企業が圧倒的ではないだろうか。それか何とか引き上げ時期をずらすべきではないか、それでも来年秋実施するというのなら、国会議員定数を今の半分にして、少数精鋭で国会運営をするような思い切った手を打たない事には、国民の理解が得られないのではないか。

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